アスリート必見!選手生命を左右する、膝の怪我を予防する方法

トレーニング

はじめに

アスリートにとって、最も怖いといっても過言ではない膝の怪我。場合によっては選手生命が終了してしまうこともあります。また、復帰するにも時間を要し、その間リハビリに専念しなくてはなりません。したがって、膝の怪我は未然に防ぐことが極めて重要だといえます。そこで今回は、膝の怪我を予防するための方法を解説していきます。現在運動を行っている人はもちろん、そうでない人にも役立つ情報となっておりますので是非最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。

スポーツ中の膝の怪我にはどんなものがある?

まず、スポーツ中に起こりうる膝の怪我には大きく分けて2種類があります。
一つ目は強い外力や膝を捻るような動きが発生したことにより、骨や関節、靭帯を損傷してしまう怪我です。このような怪我は柔軟性を高めることや体幹を強化することによってある程度予防することができますが、スポーツという特性上、100%防ぐことができないのが現状です。例えばサッカーやバスケットボールのような球技において身体の接触は避けられないものですので、フィジカル面でのトレーニングに加えて危険を予知する能力を練習中から養っておく必要があります。視野を広く保ち、敵・味方の位置を把握するだけでも不必要な身体接触は予め回避することができるでしょう。特にお互いに勝ちたいという思いが強くなる試合中は怪我が多くなるので注意が必要です。

二つ目は着地や急な方向転換によって靭帯や半月板を損傷してしまう怪我です。特に多いのが「前十字靭帯(ACL)」に関する怪我で、この靭帯を断裂してしまうと競技に復帰するには手術を必要とする場合が多いく、選手生命に関わる重篤な怪我だといえます。
このような非接触型の怪我の怖いところは受傷機転が着地や方向転換、急ストップといった予測不可能なものであるという点です。スポーツを行っていて誰かとぶつかったわけでもなく、転んだわけでもないのにうずくまっている人がいたらこのような非接触型の怪我を引き起こしている可能性があります。この場合、けが人をむやみに動かさず、必要に応じて救急搬送の手配をし、専門家に任せましょう。

非接触型の怪我を予防するためには?

先述した通り、非接触型の怪我は受傷機転の予測が困難で、未然に防ぐことが難しいものです。しかし、このような記事を読み、知識を身につけておくことはそうでない人と比べて雲泥の差があります。是非ここから紹介する予防方法を実践して、怪我を未然に防ぎましょう!
※これを行えば100%予防可能というものではありません。

ニーイントゥーアウトを避ける

ニーイントゥーアウトとは文字通り膝(knee)が内側(in)に入り、つま先(toe)が外(out)を向いてしまう状態です。このポジションは膝にとって大きなストレスがかかり、怪我につながりやすいとされています。一方、怪我の予防という観点から理想的なのは、常に膝とつま先が同じ方向を向く位置です。この位置が最もストレスを吸収することができ、ストレスを抑えられます。したがって、着地や急ストップの際は膝とつま先が同じ方向を向くように心がけてください。最初は慣れず、効率が悪いように感じてしまうかもしれませんが、次第に意識せずともできるようになります。
なお、いわゆる「X脚」と呼ばれるような症状の方は慢性的にニーイントゥーアウトの状態になっています。この場合、脚を理想的な位置に戻すことが先決なので、股関節周辺のストレッチに加えて下半身のトレーニングを行いましょう。

股関節の柔軟性を高める

膝が痛い場合、膝に問題があると考えてしまう方が多くいますが、実は原因は別にあることが多いです。身体の運動は様々な機能が連鎖しているため、一か所に問題があるとその周辺組織、ついには全身に広がり、支障をきたしてしまうということがあります。
特に多いのが股関節の可動域が低下したことによって膝に過度な負担がかかってしまうという例です。股関節が硬いとその周辺の筋肉(大殿筋や四頭筋ハムストリングス)を効率的に使用することができず、運動中や日常生活で膝に大きな負担がしまうことがあります。股関節周辺の筋肉はサイズが大きく強い衝撃を吸収する役割を果たしているため、うまく活用できないと膝に大きな負荷がかかることになり、簡単に怪我をしてしまいます。普段運動をする人でも正しいストレッチを行わなければ柔軟性は日に日に失われていくため日頃のストレッチを大切にしましょう。

筋力・体幹の強化

股関節周辺の柔軟性を高めるのと同時に筋力トレーニングも欠かさずに行いましょう。柔軟性のみを高めたとしても、それに適応した筋力が発達していなければ不安定性へとつながってしまいます。また体幹を強化することで運動中に身体のアラインメントが崩れることを防ぎ、不自然な姿勢で止まる・着地をすることによって起こる膝の怪我を予防することができます。

過度のバルクアップを避ける

これはプロアスリートや大学生競技者に多く見られますが、フィジカルの強化を図ろうとバルクアップをすることで体重が増えすぎてしまい、重さに耐えきれなくなった関節や靭帯を損傷してしまうケースがあります。どんなに強靭な身体を手に入れたとしても、それが怪我の原因になってしまっては本末転倒です。
もちろんバルクアップが悪いという訳ではありません。あくまで無計画に体重を増やしすぎてしまうことを問題視すべきです。理想は毎日体重を測り、体重ごとのコンディションを詳細に把握しながら少しずつバルクアップしていくことです。もしバルクアップの過程で関節の痛み出た場合、無理をせずにそれ以上のバルクアップは避けてください。
また、体重の増加に伴い、「重くなった体を正しく動かす能力」を同時にトレーニングしなければなりません。日々の練習に加えてファンクショナルトレーニングを積極的に行いましょう。ファンクショナルトレーニングは文字通り機能的なトレーニングのことで、端的に言えば多くの関節を使用するトレーニングです。スクワットやデッドリフトなどもこのファンクショナルトレーニングの一種ですので、ご自身が行っている競技特性を踏まえて実践してみてください。

ファンクショナルトレーニングに関する記事

膝に痛みがある場合は無理をせずに練習を休むorサポーターを着用する

原則痛みがある場合、練習を休むか強度を下がることをお勧めします。しかし、どうしても休めない場合や休むほどの痛みではないという方も多くいらっしゃると思います。私自身、学生時代の部活動で同じような経験がありました。
そんな時は膝用のサポーターを着用しましょう。運動用のものはスポーツ用品店に行けば取り扱っていると思います。サポーターがあることによって膝の負担を軽減してくれるだけでなく、安心感をもって練習に集中することができます。
おすすめのサポーターをリンクとして載せておきますので、気になる方は是非チェックしてみてください。

まとめ

膝の怪我は日頃のトレーニングの積み重ねによってその発生率を下げることができます。もちろん100%防ぐことはできませんが、地道な努力を重ねることが大切です。今回ご紹介させて頂いたものは誰でもすぐに実践できるものばかりですので、是非チャレンジしてみてください!

参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年

2.東山 暦(監修).ファンクショナルアナトミー(機能解剖学)スペシャリスト. 第4版, NESTA JAPAN事務局, 2021年, p.138

3.公益社団法人日本整形外科学会. “膝関節の症例一覧”. 公益社団法人日本整形外科学会. 膝関節の症状一覧|公益社団法人 日本整形外科学会 (joa.or.jp). (2023/4/17)

4.内田翔一朗. “X脚とは?おすすめの治し方や原因、放置した時に出る症例を紹介”. NAORU. X脚とは?おすすめの治し方や原因、放置した時に出る症例を紹介 | NAORU(ナオル)整体院 (naorusalon.com). (2023/4/22)

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