トレーニング解説 ~サイドレイズ編~

トレーニング

はじめに

肩のトレーニングとして最もメジャーな「サイドレイズ」。初心者から上級者まで幅広いトレーニーが行う種目ですが、しっかりと肩に負荷を乗せるためには少しコツがいる種目でもあります。
そこで今回は正しいサイドレイズの行い方を解説していきます。これから挑戦する方やサイドレイズが苦手な方は是非最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。

鍛えられる部位

サイドレイズは肩の筋肉である三角筋をトレーニングすることができます。三角筋は前部・中部・後部と大きく分けて3つに分類されますが、サイドレイズは中部に集中的な負荷をかけることができます。前部・後部は胸や背中のトレーニングを行う際に多少使用されていますが、中部に効かせることができる種目は少ないため、肩をトレーニングするうえで外せない種目といえます。

主働筋…三角筋
協働筋・固定筋…回旋筋腱板

効果

サイドレイズを行うことで肩の筋肉が発達し、男性らしい広い肩幅を手に入れることができます。
また、三角筋は「多羽状筋」という筋肉の種類に分類されます。羽状筋というのは筋の中心に腱が走っており、その腱に向かって両端から筋線維が収束する筋を言います。多羽状筋は羽状筋が複数集まっている筋肉のことです。
この多羽状筋は筋線維が多いため、発揮する力も大きいのが特徴です。つまり、三角筋をトレーニングすることで肩の動きが強化されるため、フィジカルを必要とするアスリートは競技力向上に繋げることができます。

正しいフォーム

サイドレイズはシンプルな動きですが、正しくできている人は意外と少ない種目です。重要なのは腕を外転(横に上げる)させる動きです。一見簡単そうですが、腕を上げる際に僅かながら肩甲帯も上がってしまい、僧帽筋(背中上部)に効いてしまうという方が非常に多いです。肩が上がってしまうのを防ぐためにも、初めのうちは鏡を見ながら軽いウェイトで行いましょう。

1.両手にダンベルを持ち、足を肩幅に開いて立つ。
2.僅かに前傾姿勢を取り、肘を軽く曲げて両手を真横に上げる。この時、親指がやや上にくるようにして肘から上げていく。
3.ダンベルを肩の位置まで上げたら一時停止し、ゆっくりと下す。
4.15~20回ほど繰り返す。

初心者の方がサイドレイズを行う際は、20回ほどできる重量で行った方が正しいフォームを身につけやすいと思います。加えて、上級者であっても低重量・高回数を好む方が多いため、まずはしっかりと効かせるということを意識しましょう。

肩に効かせるコツ

サイドレイズを正しく行っていても、肩(三角筋)に効かせることができているかよくわからないという方は少なくありません。実際にダンベルを挙上する際、初めの30度は主に棘上筋(肩のインナーマッスル)が働きます。
このような場合、スタートポジションを腕を30度程横に開いた位置にすることで、三角筋に集中的な負荷をかけることができます。要するに可動域を敢えて狭くするということです。
個人的におすすめのなのは、ウォーミングアップで可動域を狭くしたサイドレイズを行い、その後で少し重量を上げて通常のサイドレイズを行うという方法です。私自身、この種目は苦手なのでいきなり通常通り行うよりも効かせることを意識しやすくなります。

注意点

扱える範囲の重量で行う

どの種目においても言えることですが、特にサイドレイズを行う際は重量に注意しましょう。肩のインナーマッスルである回旋筋腱板という部分は怪我が起こりやすく、無理をして高重量を扱おうとすると簡単に痛めてしまいます。必ず扱える範囲内での重量設定を心がけてください。

小指から上げない

サイドレイズのように上体を起こした姿勢の場合、小指が上になるようにダンベルを持ち上げようとすると肩が内旋し、先述した回旋筋腱板を痛めてしまいます。むしろ親指がやや上になるようにダンベルを持ちましょう。

顔を上げて目線は真っ直ぐ

サイドレイズを行う際、顔が下がってしまう方が多くいらっしゃいますが、顔を下げると相対的に肩甲帯が挙上してしまい、僧帽筋が優位に働いてしまいます。必ず顔を上げ、目線を真っ直ぐに保ちましょう。

まとめ

サイドレイズは肩の発達には欠かせない種目です。しかし、正しくできていないと効果が半減してしまうどころか怪我にもつながりかねません。しっかりとマスターして正しいフォームを身に付けましょう!

参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年

2.東山 暦(監修).ファンクショナルアナトミー(機能解剖学)スペシャリスト. 第4版, NESTA JAPAN事務局, 2021年, p.138

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