はじめに
デッドリフトは数あるトレーニング種目の中でもBIG3の一つとして知られており、非常に効果が高いトレーニングです。しかし、正しいフォームで行うことができないと効果が薄れてしまうだけでなく怪我にもつながってしまいます。そこで今回はデッドリフトについて解説していきます。是非最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。
鍛えられる部位
デッドリフトは複数の関節を使用する複合関節種目です。種目の特性として上半身・下半身両方の筋肉を使用するため、効率よくトレーニングすることができます。
主働筋…脊柱起立筋、広背筋、大腿四頭筋、臀筋群
協働筋…僧帽筋、ハムストリングス、前腕
固定筋…体幹の筋群、股関節深層外旋六筋
効果
ボディメイク
デッドリフトは背中や足といった大きな筋肉をバランス良く鍛えることができます。特に慣れてくると重量を扱うことができる種目ですので、高い筋肥大効果が期待できます。
※当然、強度やフォームを工夫することでシェイプアップにも活用できます。詳しくは以下の記事をご参照ください。
ダイエット
大きな筋肉には高い代謝機能が備わっています。デッドリフトで使用する背中・足は身体の中でも特に大きな筋肉ですので、しっかりトレーニングすることで代謝機能を向上させ、脂肪が燃焼しやすい身体を作ることができます。また、筋肉を付けないダイエットはリバウンドのリスクも高くなるため、リバウンドを防止するためにも是非取り組んでみてください。
競技力向上
先述した通り、デッドリフトはたくさんの関節・筋肉を使用する複合関節種目です。また、動作中は体幹の筋群も多数動員され、機能的な面も含めて強化することができます。このようなトレーニングはファンクショナルトレーニングと呼ばれ、身体能力を向上させるうえで欠かせないトレーニングです。そのため、単に筋肉を大きくするだけでなく、身体の運動連鎖を大切にしたいアスリートにとってデッドリフトはお勧めできるトレーニングの一つです。
骨の強化
ウェイトトレーニングは骨に対して適度な圧力を与えてくれます。(メカニカルストレス)
骨は与えられたストレスの量や方向に適応して成長するという性質があるため、ウェイトトレーニングは骨量・骨密度を増やしてくれるのです。
特に成長期のお子さんにとっては、身体的な発達を促してくれるのでおすすめです。ただし、重たすぎるウェイトや間違ったフォームで行ってしまうと怪我につながってしまうため、細心の注意を払ってください。
また、閉経後の女性は女性ホルモンの分泌が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。そこで、骨量を増やしてくれるウェイトトレーニングを行うことで、閉経後の骨粗鬆症を予防してくれますので是非継続的に行ってみましょう!
正しいフォーム
デッドリフトは誤ったフォームで行ってしまうと腰を痛める可能性があります。まずは軽い重量で正しいフォームを身に付けるところからスタートしましょう。
1.足を肩幅に開き、つま先・膝を真っ直ぐ前に向けます。
2.膝・股関節を屈曲してお尻を後ろに突き出すようにしゃがみ、バーベルを足よりも広い手幅で握ります。
3.腕は伸ばしたままバーベルを挙げていきます。挙げ始めは上体を起こさずに脚の力を使い、後半にかけて上体を起こしていきましょう。
4.ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
デッドリフトは床まで降ろす方法や脛のあたりまで降ろす方法など、目的によって異なります。最初は取り組みやすい方で構いません。また、バーベルを使い慣れていなかったり、もう少し軽い重量で行いたい方はダンベルでも全然OKです!
回数・セット数
他の種目同様、回数やセット数は目的によって異なります。一般的に筋肥大やパワーの向上が目的の場合、高負荷・低回数で行うのが良いとされています。
ex) 5~12回で限界が来る重量 3~5セット
一方、シェイプアップや筋持久力を目的とする場合、低負荷・高回数が良いとされています。
ex) 15~25回で限界が来る重量 1~3セット
注意点
猫背にならないように
動作中は絶対に猫背にならないように注意してください。しゃがむ際にお尻を後ろに突き出すようにしてしゃがむと、自然と背筋が伸び、安全に行うことができます。
反動をつけない
デッドリフトは腰への負担がかかりやすい種目です。反動をつけてあげたり、瞬間的に挙げると怪我をする恐れがあり大変危険です。たとえ軽い重量で行っていたとしても、ゆっくりと重さを感じながら行いましょう。
今後重たい重量を扱う予定の方や腰に不安がある方は「トレーニングベルト」を使用することをお勧めします。
徐々に負荷を上げていく
重量は徐々に上げていき、決して無理をしないようにしましょう。特に高負荷でトレーニングをされる方は、ある程度の重量を上げれるようになったときが一番怪我しやすい時期です。ウォーミングアップを忘れずに。
※負荷を上げるとどうしても握力が必要になり、腕周りが先に疲れてしまいます。この場合、「パワーグリップ」を使用することで握力をなるべく使わずにトレーニングすることができます。
まとめ
デッドリフトは下半身・背中を強化できる機能的なトレーニングです。ボディメイクやダイエット、競技力向上など様々な効果が期待できます。その反面気を付けるべき点も多く、誤ったフォームや無理をすると怪我に発展してしまいます。正しいフォーム・適切な重量設定で安全に行いましょう!
参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年
2.東山 暦(監修).ファンクショナルアナトミー(機能解剖学)スペシャリスト. 第4版, NESTA JAPAN事務局, 2021年, p.138
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