はじめに
身体のバランスを支えるうえで重要な役割を果たす体幹の筋群。今やアスリートだけでなく一般の方にも浸透しており、様々な目的で行われています。
しかし、体幹トレーニングはあくまで体の内部を鍛えるものであり、いわゆる “魅せる筋肉” のトレーニングではないことから、ボディメイクには必要ないと判断されることがあります。
そこで今回は体幹トレーニングの基礎知識とボディメイクとの関わりについて解説していきます。
この記事を読んだうえで自分にとって必要か否か判断していただければ幸いです。
体幹トレーニングとは
体幹トレーニングとは文字通り “体” の “幹” を鍛えるトレーニングであり、簡単に言えば胴体部分のトレーニングです。身体はこの体幹を中心として運動中のバランスを保持したり、理想的な姿勢を保っています。
中でも重要なのは「腹横筋」と呼ばれる腹筋群中で最も深層に位置する筋肉で、どんな運動を行う際にもこの筋肉が最初に収縮し、脊柱を安定させています。
トレーニングに限らず、身体を動かす上で最も大切なことは脊柱を安定させることですので、体幹トレーニングを行うことで脊柱を安定させる筋肉が付き、理想的な姿勢で運動を行うことができます。
体幹トレーニングの効果
体幹トレーニングを行うことで姿勢を保持する能力が養われ、猫背や反り腰、巻き肩といった悪い姿勢の改善が期待できます。このことはスポーツ競技においてパフォーマンス向上や怪我の予防に繋がります。
また、体幹部は身体の中でも大きな割合を占めている筋肉であるため、きちんとトレーニングを行うことで基礎代謝を向上させることができ、ダイエット効果が期待できます。加えて、身体の内部を鍛えることから過度に筋肥大を起こすことがなく、身体を引き締めたい方にとっては有効であるといえます。
期待できる効果
・パフォーマンス向上
・姿勢改善
・ダイエット
・健康維持
体幹トレーニングの行い方
先述した通り、体幹はバランス保持・姿勢保持に使用される筋肉であるため、これらの要素が組み込まれていれば種目は何でも問題ありません。メジャーな種目では「プランク」や「バードドッグ」などが挙げられますが、単に片足立ちをするだけでも立派な体幹トレーニングです。
何から始めれば良いかわからないというかたはプランクから始めてみるのが良いでしょう。
プランクの行い方
1.脚を伸ばしてうつ伏せになる。
2.腕を肩幅に開き、前腕と足を支点にして腰を浮かす。
3.頭から足まで一直線になるように姿勢を保持し、30秒程キープする。
4.2~3セット繰り返す
ボディメイクとの関係
体幹トレーニングは主に深層の筋肉をトレーニングするため、魅せるための浅層筋肉をメインターゲットとするボディメイクとは少し異なります。
しかし、是非体幹の筋群も大事にトレーニングすることをお勧めします。なぜならば、体幹を鍛えることでより強度の高いトレーニングが可能となり、結果として更なる筋肥大へと繋がるからです。
具体的な方法として体幹トレーニングを行うのも良いですが、ファンクショナルトレーニングを行うと普段のトレーニングメニューに組み込みやすく、効率的に体幹を鍛えることができると思います。
ファンクショナルトレーニングについて…
ジムに行くと、マシンと呼ばれる特定の部位を集中的に鍛えるための器具があります。マシンは動作の方向が一定であり、使用中にバランスを保持する必要性がほとんどありません。一方ファンクショナルトレーニングは機能的なトレーニングのことであり、スクワットやデッドリフトなどの多くの関節や筋群を利用する種目がこれにあたります。これらの種目は動作中バランスを保持する必要があり、必然的に腹横筋が締まった状態でトレーニングを行うことができるため、体幹にもかなり効くトレーニングです。
つまり、わざわざマットの上で体幹トレーニングを実施しなくても、ファンクショナルトレーニングを組み込むだけで十分に体幹を鍛えることができるというわけです。決して難しいことではないので、是非意識的に行ってみてください。
まとめ
体幹トレーニングは誰でも行うことができ、様々な効果が期待できます。ボディメイクもその例外ではなく、体幹トレーニングによって運動強度が上がり、更なる筋肥大につながるでしょう。特にファンクショナルトレーニングを活用することで普段のトレーニングメニューに上手く体幹要素を組み込ませることができます。
参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年
2.東山 暦(監修).ファンクショナルアナトミー(機能解剖学)スペシャリスト. 第4版, NESTA JAPAN事務局, 2021年, p.138
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