正しいストレッチの方法について。怪我の予防やむくみ解消など目的別に使い分けよう!

柔軟・ストレッチ

はじめに

皆さんはストレッチについて意識したことはありますか。ストレッチは運動前のウォーミングアップや柔軟性向上、むくみの解消など様々な効果が期待できます。一口にストレッチと言ってもその種類は数多くあり、目的に応じて全く異なります。中には誤った方法で行ってしまうと逆効果になってしまうものもありますので、是非最後まで読んで正しいストレッチを身に付けてください。

ストレッチの種類

ここからはストレッチの種類とそのやり方・どんな時に行うべきなのかを解説していきます。ご自身の目的に合わせてご活用ください。

※すべてのストレッチに共通することですが、強い痛みを伴うストレッチは筋肉や結合組織の損傷となる危険性があるため、やりすぎにはご注意ください。

スタティック(静的)ストレッチ

スタティックストレッチとは1つの部位に対して20~30秒かけて行うストレッチのことです。基本的にはストレッチした際に気持ち良いと感じる姿勢を保ちます。のストレッチは溜まった老廃物を流したり、柔軟性を向上させるために使われるストレッチで、運動後に行うのが適しています。また、老廃物を流すという観点から、脚痩せ等でカギとなるむくみ解消にも効果が期待できます。

スタティックストレッチについてより詳しく解説していきます。私たちの身体には「伸張反射」と呼ばれる機能が備わっています。この伸張反射とは筋肉が急激に引き伸ばされた際に瞬間的に元に戻ろうとする性質のことで、「筋紡錘」の働きによるものです。一方、筋肉の緊張やこわばりを感知して弛緩させる働きを持つ器官が存在します。それは「ゴルジ腱器官」です。これらを簡単にまとめると、筋肉を縮めようと作用するのが筋紡錘で、伸ばすよう作用するのがゴルジ腱器官であるといえます。スタティックストレッチで重要なのは、筋肉をリラックスさせ弛緩させることですので、ゴルジ腱器官を働かせる必要があります。

では、ゴルジ腱器官を優位に働かせるためにはどうすれば良いのでしょうか。

一般的に20~30秒かけて適切なストレッチを行うと筋紡錘よりもゴルジ腱器官が優位に働くと言われています。したがって、スタティックストレッチによって筋肉を伸ばし、疲労物質の除去や柔軟性の向上といった効果を期待するのであれば、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。

※運動前にスタティックストレッチを行うと筋肉が過度のリラックス状態となり、パフォーマンスの妨げとなる可能性があるため、必ず運動後に行いましょう!

ダイナミック(動的)ストレッチ

ダイナミックストレッチは動きを伴うストレッチで、筋肉の血液循環を促し、筋温を上げてくれます。したがって、基本的には運動前のウォーミングアップの際に用いられます。スキップや軽いジャンプ等のウォーミングアップを部活動で経験した方も多いのではないでしょうか。あれらは全てダイナミックストレッチです。

やり方としては一定の動作を行うことで筋肉を温めます。型にとらわれず自由な動きで構いません。一昔前に野球の前田健太選手が行った「マエケン体操」もダイナミックストレッチの一種です。あれは野球で使われる肩や肩甲骨を動かすことで総合的にウォーミングアップをするものですので、同じ要領で温めたい部分を動かすことでれっきとしたダイナミックストレッチになります。

筋肉の付き方に偏りがある人や極度に硬くなっている場合、状態を悪化させる場合があります。もし、筋肉が極度に硬くなっていてダイナミックストレッチを行うことに懸念がある場合は、運動前だとしても例外的にその部分だけスタティックストレッチを行ってください。その後負荷の軽い運動から始めることで筋肉を温めることができます。

バリスティックストレッチ

バリスティックストレッチは自ら反動をつけて行うストレッチで、速い動きを伴います。一般的には最大瞬発力を必要とするような競技、トレーニング種目(ジャークやスナッチ等)で必要となるストレッチです。主に瞬発系の種目を専攻するアスリートや重量挙げの選手が行うストレッチですので、ほとんどの方にとっては不必要なストレッチです。

競技者以外の方が行うと筋肉や靭帯、その他の結合組織に損傷が起こる可能性があり、危険ですので興味本位では行わないよう注意してください。

まとめ

今回はストレッチについて基本的な3種類を解説していきました。ストレッチのやり方によって期待できる効果が全く異なることは理解していただけましたでしょうか。是非、この記事を参考にご自身の目的に合わせて適切なストレッチを行ってください!

また、ストレッチには他にも二人がかりで行うものや道具を使用するものなど様々な種類がありますのでそれらもまとめて今後ご紹介していきます!

参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年

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