はじめに
今回はトレーニングをしている方であれば一度は聞いたことがあるであろう「超回復」について詳しく解説していきます。超回復という言葉自体は知っていても実際にどのようなものなのか説明できる人はそう多くないと思います。特にトレーニング初心者の方や今まで超回復を意識したことがない方は、この知識を得ることで普段の筋トレ効果をより高めることができますので、是非最後まで読んで参考にしてみてください。
超回復とは
そもそも超回復とは一体どのようなものなのでしょうか。
私たちの身体はトレーニングをすることによって疲労が蓄積され、一時的に筋肉の活動能力が低下します。(筋肉痛で体が動かしづらい時のことを想像するとわかりやすいです。)その後、適切な栄養・休養を経てトレーニング前よりも高い水準まで筋肉の活動能力が回復していきます。
筋力トレーニングでは、この超回復を繰り返すことでより重たい重量に耐えれるよう筋肉が大きくなったり(筋肥大)、筋肉の持久力が上がったりします。つまり、トレーニングによって筋肉をつけるためには単にトレーニングを行うだけでなく、適切な休息をとることできちんと回復を図る必要があるのです。
適切な休息とは
超回復において休息が必要だということはご理解していただけたかと思います。では、実際にどの程度休ませれば良いのでしょうか。
一般的にトレーニングをした部位の筋肉は48~72時間は休ませるべきだといわれています。したがって、2、3日は間隔を空けなければならないということです。もし、間隔を空けずにトレーニングを行ってしまうと休養の不足によって筋肉の発達が遅れるだけでなく、怪我にもつながりかねません。確かに身体を追い込むようなトレーニングはそれなりに達成感もあり、効果も期待できると感じるお気持ちは十分に理解できますが、トレーニングをすればするほど筋肉がつくという考えは捨てるべきです。
ワンポイントアドバイス
通常、筋肉痛とはトレーニングを行ってから24~48時間痛みが発生します。これは特殊な例を除き、害となるものではありません。しかし、痛みが48時間以上持続する場合は遅発性筋肉痛というあまり良くない筋肉痛である可能性が高いです。その場合はトレーニング強度を少し下げてみましょう。
具体的な休息の取り方
ここまで読んでくださった方の中には、ボディビルダーなどの競技者はほとんど毎日トレーニングしてるのでは?と疑問を抱いた方もいらっしゃるかと思います。
—結論から言うとボディビルダーに関わらず、筋トレに慣れている方々はほぼ毎日のようにトレーニングをしています。
これは彼らだけが特別に連続してトレーニングしても問題ないということではありません。どんなに筋肉の発達が優れた方でもしっかりと休息を取っています。
実際には日ごとに鍛える部位を分けることで筋肉を休ませています。例えば、週5日筋トレを行う人の場合だと…
一日目 背中、腕(二頭)
二日目 胸 肩(フロント)
三日目 脚
四日目 腕(二頭、三頭)
五日目 肩(フロント、サイド、リア)
といった具合です。これはあくまで一例に過ぎません。また、少し細かく記載しましたが端的にいえば連続して同じ部位をトレーニングすることが無いよう、調整すれば良いということです。
もし、筋トレ初心者の方で自重トレーニングをメインに行っているのであれば、上半身、下半身という形で二分割し、交互にトレーニングすれば十分です。
まだ始めたばかりの方は、種目や鍛える部位の相性等は気にせずにご自身が継続できるようトレーニングメニューを組んでみてください。
OFFの日の過ごし方
トレーニングを行う上で休息を取ることの必要性は理解していただけたかと思います。しかし、休息というのは単に休めばいいというわけではありません。トレーニングをしない日だからと言って食生活が乱れてしまってはせっかくの積み重ねが台無しです。
繰り返しになりますが筋肉は「トレーニング」「休養」「栄養」の三つが揃うことで発達していきます。つまり、OFFの日こそクリーンな食事を心がけることが重要なのです。「超回復」の効果を最大限に高めるためにも適切な「休養」「栄養」を意識していきましょう。
※時にはストレスを緩和させることも必要なので、自分にご褒美を与えることも”継続″という面では重要です!
まとめ
今回は超回復の理論について解説してきました。私自身、トレーニングを始めたばかりの頃は休むことが苦手でしたが、良い体をしている人は皆上手に休んでいます。どんなに軽い重量でトレーニングを行ったとしても身体に負担を掛けていることに変わりありません。しっかりと休んでトレーニングを継続できるよう一緒に頑張っていきましょう。
参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年
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