筋膜リリースの行い方について。多くの人が勘違いしていることとは?

柔軟・ストレッチ

はじめに

皆さんは筋膜リリースをご存知ですか?
筋膜リリースはその効果と手軽さからアスリートをはじめ、多くの方が実践しています。しかし、正しい行い方を知らず、誤った方法で行っている方が多いのも事実です。今回はそんな筋膜リリースについて解説していきます。是非最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。

筋膜リリースとは

まずは筋膜リリースを知らない方のために説明していきます。必要ない方は飛ばしてください。
筋肉は筋繊維とよばれる繊維状の組織が束になって構成されています。この束をまとめるのが筋膜と呼ばれる組織です。筋肉は本来柔軟性が高い組織で、動作に合わせて伸長・収縮を繰り返しますが、運動不足やデスクワーク、姿勢のゆがみによって正しく使用されなくなると硬くなってしまいます。
この硬くなった部分や関連部位に外部からの刺激を与えることによって筋膜をほぐし、血流の促進や柔軟性を高めることが筋膜リリースの目的です。

効果…血流促進、柔軟性向上、コリの解消、むくみ解消

筋膜リリースの方法

筋膜リリースを行う際は専用のローラーやテニスボールを利用して行います。
実際の手順は以下の通りです。

筋膜リリースの方法

1.ほぐしたい部位をローラーやボールに垂直に当てる(この時ゆっくりと圧力をかける)
2.力を抜いて前後左右にゆっくりと転がす
3.硬さや抵抗感がある部分は20~30秒静止
4.硬さや抵抗感が程よく解消されるまで1~3の手順を繰り返す

特に重要視していただきたいのが手順3です。多くの方がローラーの上を転がすだけで筋膜をほぐすことができると考えがちですが、手順3は筋膜リリースにおいて最も大切な部分であるといっても過言ではありません。
私たちの身体には、筋をほぐすための器官として「ゴルジ腱器官」というものが備わっています。ゴルジ腱器官は筋の緊張感知した際に、筋を弛緩させ保護する役割があります。筋膜リリースにおいてもこの器官の働きは必要不可欠なものです。
ゴルジ腱器官を働かせるためには、20~30秒かけてゆっくりとストレッチを行う(筋膜リリースにおいては圧力をかける)必要があるため、ただ表面を転がすだけでは適切な筋膜リリースを行うことはできません。これが手順3が欠かせない理由です。

ゴルジ腱器官についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!
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どんなときに行うのか

筋膜リリースは運動前、運動後どちらにおいても行うことができます。
しかし、運動前に行う場合は極度に硬い部位にフォーカスして行いましょう。運動前に筋膜リリースをやりすぎてしまうと、筋肉が過度のリラックス状態になってしまい、その後のパフォーマンスに支障をきたす可能性があります。

ワンポイントアドバイス

筋膜リリースによって患部の柔軟性を向上させたい場合、筋膜リリースの後にリリースした筋の※拮抗筋をトレーニングするが良いとされています。
これは筋膜リリースに限らず、柔軟運動全般に言えることですが、柔軟運動のみを行っていると筋肉や細胞が過度に弛緩してしまい、結果として関節の不安定性を招いてしまいます。したがって、柔軟性向上のためにはストレッチだけでは不十分であり、適切な筋力強化も並行して行わなければなりません。

※行おうとする動作において、メインで働く筋肉を主働筋と呼びます。拮抗筋とは主働筋とは逆の働きをする筋肉のことです。例えば、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋膜リリースを行った場合、拮抗筋である前脛骨筋(脛の筋肉)のトレーニングを行うと効果的です。
その他の例…上腕二頭筋&上腕三頭筋、大腿四頭筋&ハムストリングス、股関節の筋群&臀筋群など

筋膜リリースおすすめグッズ

フォームローラー

まずお勧めしたいのはフォームローラーです。専用のものであればどのようなものでも良いのですが、特にお勧めしたいのは「トリガーポイント グリッドフォームローラー」です。通常のローラーとは異なり、表面が手のひらを模した平らな形状・指を意識したチューブ型の形状・指先を意識した突起型の形状となっています。また、サイズもコンパクトで持ち運びやすいのも特徴です。私自身、数年前から愛用していますが、とても使いやすく無くてはならない存在です。

ストレッチマット

ストレッチマットはなくても可ですが、あると便利です。実際に筋膜リリースの経験がある人は既にご存知かと思いますが、最初の頃は痛みがあるため、ある程度柔らかいストレッチマットの上で行うことをおすすめします。
ストレッチマットがあれば体幹トレーニングなどにも活用できるので、持っていて損はないでしょう。

トレーニングチューブ

トレーニングチューブは筋膜リリース、ストレッチ後の筋力強化に最適です。特にジムなどに通っておらず、家で手軽にトレーニングしたい方は持っておくととても便利です。ダンベルとは違い、置き場所に困らず、落として床を傷つける心配もないので安心してトレーニングすることができます。また、トレーニングチューブひとつで全身の種目を行うことができ、チューブを活用したトレーニング方法などもYouTubeやインスタで多数紹介されていますので初心者の方にもおすすめです!

まとめ

今回は筋膜リリースについて解説してみました。正しく行うことができれば、かなりの効果が期待できるものですので、是非挑戦してみてください!

参考文献
1.東山 暦(監修), パーソナルフィットネストレーナー, NESTA JAPAN事務局, 2019年

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