足裏のアーチにはどんな役割があるのか。きれいなアーチを保つためには?

トレーニング

はじめに

普段、私たちの身体を支えてくれている足。この足の裏側は縦・横共にアーチ型になっています。実はこのアーチには大切な役割があり、これが崩れてしまうと様々な悪影響をもたらします。足裏アーチの崩れは下半身だけの問題にとどまらず、腰痛や肩こりの原因にも繋がりかねません。そこで今回は足裏アーチの役割とアーチをきれいに保つための方法を解説していきます。既に偏平足や外反母趾で悩まされている方にも役立つ情報ですので、是非最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。

アーチの種類とその役割

足には大きく分けて3つのアーチがあり、それぞれに役割があります。

内側縦アーチ

まずは足の内側(親指側)に縦に走る内側縦アーチです。いわゆる「土踏まず」と呼ばれる部分がこれにあたります。内側縦アーチは3つのアーチの中で最も高さがあり、主に衝撃を吸収する役割があります。

外側縦アーチ

次に足の外側(小指側)に縦に走る外側縦アーチです。内側縦アーチと比べると扁平であり、体重を支えるほかバランスを保つ役割があります。

横アーチ

最後に足の中間あたりの5つの骨(中足骨)で構成される横アーチです。こちらも内側縦アーチと比べると扁平であり、体重を左右に分散させる役割や不安定な足場(凸凹の地面)でも対応するための役割を担っています。

豆知識

足裏アーチは伸びることで衝撃を吸収します。したがって、着用する靴のサイズが小さいとアーチが伸びた際に指先が靴にぶつかってしまい、内出血を起こすことがあります。
これが「靴は足のサイズよりも0.5~1.0㎝大きいものを選べ」と言われている所以です。
特に長距離ランナーや切り返しの多いスポーツを行っている方で、指の爪が黒く変色している方は靴のサイズが合っていない可能性がありますので、早急に対応する方が良いでしょう。

アーチが崩れると…

足裏のアーチが崩れると、先述したそれぞれの”役割”が正しく機能しなくなり、偏平足や外反母趾、X脚・O脚といった障害を起こす可能性があります。
また、これらの障害は姿勢を悪化させるため、腰や背中などの上半身にも影響を及ぼします。したがって、一番大切なのはアーチをきれいに保ち続けることだといえるでしょう。

アーチが崩れる原因

アーチが崩れる原因として、足の内側または外側に荷重が偏ったことによる歪みが挙げられます。自分では正しい姿勢で均等に負荷を分散させているつもりでも、歩き方の癖や普段履いている靴によって歪みが出ていることも少なくありません。
着用する頻度が高い靴の靴裏を見てみてください。内側・外側のどちらか一方が過度に擦り減ったりしていませんか?もしそうなら荷重をうまく分散できていない可能性があるため注意が必要です。

また、しっかりと足の指を動かせていないことに起因する、足裏の筋力や柔軟性の低下もアーチが崩れる原因になります。特に仕事などで普段からハイヒールを履いている方は、足の指をうまく使えていないことがあるので、注意しましょう。

アーチをきれいに保つためのトレーニング

先述した通り、アーチをきれいに保つためには足裏全体に均等に負荷をかけること・足の指を動かすことの2つが大切です。
以下、実際にパーソナルトレーニングの際にも行っている方法をご紹介させていただきます。

片足立ち

まずは片足立ちです。片足立ちをするためには足裏全体で体を支えなければいけないため、アーチを保つために必要なバランス感覚を養うことができます。

手順
1.左右どちらでも良いので片足で立ち、30秒キープ
2.反対側も同じように繰り返す

慣れないうちはバランスを崩した際にすぐ掴まることができる柱やテーブルの近くで行いましょう。余裕がある場合は目を瞑って行ってみてください。

タオルギャザー

タオルギャザーは足首を怪我した際のリハビリにも利用されるほどメジャーなエクササイズで、タオルさえあれば簡単に行うことができます。

手順
1.足元にタオルを敷く(縦長の状態)
2.タオルの端と踵が重なるようにしてタオルの上に立つ
3.足の指を使ってタオルを手繰り寄せる

椅子に座りながら行ってもOKですが、踵が浮いてしまわないように注意してください。

カーフレイズ

ふくらはぎの筋群を鍛えることもアーチをきれいに保つために有効な手段の一つです。
今回紹介するカーフレイズは動作も単純で取り組みやすく、おすすめのエクササイズです。

手順
1.足を腰幅に開き、つま先を真っすぐにして立つ
2.かかとを限界まで上げ、背伸びの状態で一時停止する
3.ゆっくりとかかとを下ろしていき、床に着かないギリギリの位置で止める
4.手順2~3を繰り返す

動作中は膝が曲がらないように注意してください。10~15回を3セット程行いましょう。

足裏マッサージ

トレーニングと並行してマッサージを行うと、さらに高い効果が期待できます。指で行うマッサージも良いですが、これには専門的な知識が必要となるため、自宅で手軽にできる「ゴルフボール」を使ったマッサージがおすすめです。

手順
1.立った状態または座った状態でゴルフボールを足の裏で転がす
2.反対側の足でも同じように繰り返す

ゴルフボールを使えばデスクワークの最中でも簡単に行うことができますので、是非挑戦してみてください。

足裏マッサージに特化した商品もありますので、ご興味のある方は是非!

まとめ

足は日常的に負荷がかかる部位ですので、姿勢の悪化や運動不足によって足のアーチは簡単に崩れてしまいます。
しかし、毎日のケアや少し意識を向けてあげることによってアーチをきれいに保つことができますので、欠かさずにケアしてあげましょう!

参考文献

1.東山 暦(監修).ファンクショナルアナトミー(機能解剖学)スペシャリスト. 第4版, NESTA JAPAN事務局, 2021年, p.138

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